05.03_1 「新・都市論TOKYO」を読む

 「新・都市論TOKYO」を読みました。高名な建築家とジャーナリストが大規模開発が続くTOKYOをルポしました。斬新な発想で記述されています。その中で、町田の発展のダイナミックスが大変評価されています。
 書評の真似事を通じて、町田の現状を探って見ました。

  「吉田つとむの掲示板」に書いた文を転載しました。掲示板に書いた記事であるため、文体がばらばらですが、いつものことで、そのまま掲載します。

<目次>
「新・都市論TOKYO」を読む - 吉田つとむ 2008/04/18 (Fri) 00:10:15
成瀬は町田市内であって町田地区ではない - 吉田つとむ 2008/04/18 (Fri) 10:46:11
「新・都市論TOKYO」を読む 2 - 吉田つとむ 2008/04/18 (Fri) 18:40:37
町田の中心部はアナーキーな街 - 吉田つとむ 2008/04/19 (Sat) 07:56:03
「新・都市論TOKYO」を読む 3 - 吉田つとむ 2008/04/20 (Sun) 10:14:09

「新・都市論TOKYO」を読む - 吉田つとむ 2008/04/18 (Fri) 00:10:15

「隅研吾・清野由美」の対談形式で構成された、都市としての東京を語った本を読みました。

 人の薦めがあって読んだものですが、東京の中で個別に論じられる中に、町田がありました。それも、「郊外」と思っていたら都市だったとするものです。町田が秋葉原と並んで勢いのある、都市計画からはみ出したところがとても魅力ある都市と評価されています。ただし、これは町田駅界隈のことを指して言うのでしょう。

 もちろん、町田は東は東急田園都市線沿いのエリアがあり、西は相原地区のように古さと牧歌性を残したエリアもあります。他にもそれぞれの地域の特徴を持っています。

 そうした中で、町田を町田らしくしているといえば、やはり、小田急・JRがクロスする町田駅界隈のことを指すとみなされています。

 では、その町田駅界隈はどのような魅力を持っているとされているのでしょうか。少々考えていきたいと思います。


成瀬は町田市内であって町田地区ではない - 吉田つとむ 2008/04/18 (Fri) 10:46:11

 都市というと、区画整理が済んだところに近代的なビルが立ち並び、ビジネスパーソンがあわただしく行きかうところと言うわけである。汐留の開発が然りである。

 他方では、丸の内再開発では新たなショッピング街を取り込む姿も目についている。

 また一方には、六本木ヒルズや東京ミッドタウンに代表させるようなセレブの住居も取り込んだ街も誕生してきた。

 そうした中で、この町田って一体どんなところだろう。ものの本に書いてあることには、私が住む成瀬というところはその特徴に当てはまらない。かと言って歴史の背景が深いわけでもなく、団地が立ち並ぶわけでもなく、戸建住宅が整然と並んでいるわけでもなく、路地裏があるわけでもない。ぽつぽつとビジネスビルがあり、地味なスーパーや商店が若干あるに過ぎない、言ってみればまさに中規模「郊外」にぴったりかも知れません。

 それでも成瀬に味があり、ここは町田市内であって町田地区ではない、そうした観点で成瀬とも比較して、この本の記述を通じて町田駅や町田市の中心街を見てみましょう。


「新・都市論TOKYO」を読む 2 - 吉田つとむ 2008/04/18 (Fri) 18:40:37

 著者(隅氏)は町田駅周辺の商業集積に驚いている。小田急百貨店、ルミネ、東急百貨店(現在は、ハンズも含めたツインズ)、109、東急ハンズ、ドンキ・ホーテ、ユニクロの姿に驚嘆し、都内10位の購買力に注目している。他方で、中央通り商店街の富沢商店(製菓・製パン材料〜乾物が有名)や仲見世商店街に注目している。

 つまり、町田駅界隈の特徴に、大型商業施設、こぎれいな商店街に限らず、あやしさ、うさんくささの雰囲気をあわせ持つことに意外なほど、注目している。

 この特徴は、東急沿線の街(たまプラーザ、青葉台)には見かけないことであり、やけに気に入っているのである。

 もっと驚いた記述は、境川の向こう側=相模原市側だが、そこがラブホテルと結婚式場(シティーホテル)とマンションが立ち並ぶディープな光景を肯定的に捉える見地です。

 著者は、規制や統制を否定(もしくは超越)したところに、都市の発展を見るようです。建築家なのでしょう。

 もう一人の著者(清野氏)は、町田を総括して、「やはり、町田の一番のアイディンティティというのは、高度成長時代に整然と計画された郊外のベッドタウン、というところに落ち着くと思うのですが」としている。

 建築家である、隅氏は、旧来の筑波学園都市の姿に魅力をほとんど感じず、この混沌さを持った町田にさらにさらに、関心と興味を示している。

 それは、これからの町田を自分が設計したいとするところから出たものか、自分をも凌駕する混沌にひかっるのか、私には推測しがたい面がある。ただし、そこにはよき古さと退廃、進歩と破壊を併せ持つアナーキーさに引き付けられるのだろう。

 明日の町田像が書いてあるわけではない。

 
町田の中心部はアナーキーな街 - 吉田つとむ 2008/04/19 (Sat) 07:56:03

 隅氏にとって、町田市の魅力は街が都市計画を超えた様相を帯びて発展したということだろう。ただし、この中には近代的な都市計画に飲み込まれなかった小さな商店街が近代ビルに混在して生き続ける事も含まれている。そうした計画の意図を超えることと、計画に組み込まれない、そうした自分の顔を大事する街を期待しているのだろう。

 なぜなら、日本の多くの街や街道が発展する時には、特徴の少ない高層のビルが林立するか、チェーン店のショップが立ち並ぶイメージしかないのが現状である。

 そうした中で、町田駅の周辺は極めてアナーキーなのだろう。それは、町田駅には小田急駅とJR駅を結ぶペデストリアンデッキ(歩道橋兼歩行者道路)の周りを取り囲むビルに特徴があるのでなく、そのビルの裏側に別の顔を見出しているところが躍動しているところに、隅氏は注目しているのである。

 その街の一角に町田市役所新庁舎が建設される。今は、その設計中である。この本に中にはその記述がなかったが、その設計を行っているのは槙文彦氏である。この槙文彦氏というのは、あのニューヨーク貿易センタービル跡地の再興を目指す都市計画の設計の一角を担当する人物である。それ以上に、槙文彦氏は、この本の中で注目されている代官山開発の設計者であるということである。

 そうすると、町田はもっと面白くなるということだろうか。


「新・都市論TOKYO」を読む 3 - 吉田つとむ 2008/04/20 (Sun) 10:14:09

 東京の都心には洗練された建物、ビル群、タウンがこの間に数多く作られてきた。ショッピングエリアも備え、大勢の人が集まってきた。その行き着く先はどのようなものか、ここのプランナーにとっては、自分の開発対象がどうなるか、真剣に考えないと、新しければ良しとしてもすぐに陳腐になってくる。

 早晩、いくつかの再開発エリアは首都圏の人にとって何の魅力も感じない場所になってくるのではないか、隅氏の予感はそう発信している。

 その理由に、個々の開発エリアは、自分を最高として作り上げたが、別にライバルがあり、相互の競争をしているので、常に自分が蹴落とされる可能性がある。ビル群が完成した翌日には、凋落のエリアが始まっていると言える。

 もてはやされたシネマコンプレックスの多くが、退潮傾向にあるのは明日の再開発エリアの様相を示していると言えるのだろう。

 隅氏は自分の建築家としての仕事を通じて、都市の魅力を再検討しようとしている。ただし、建築家は過去の評価より、明日のプランが必要なことを「北京」の再開発の躍動の中に見出そうとしている。 
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