05.06_15 コムデと協同して日本進出のH&M
<前書き>
 
  下記のように、スウェーデンの衣料大手「H&M」の日本1号店が9月にオープンする報道が出ています。このファッション大手の進出がどのようなものか、おなじみのクオールエイド のtakeo氏に論じていただきました。 川久保玲氏との協同に期待が寄せられいますが、本論は先のことになりそうです。

<目次>
H&Mの日本1号店のオープン報.. - 吉田つとむ 08/05/13-11:01 No.3255
コムデとコラボ - takeo 08/05/13-12:47 No.3259
デザイン的機能のイノベーション - takeo 08/05/16-18:00 No.3261
川久保玲 デザインを否定するデ.. - takeo 08/05/17-08:22 No.3262
楽しみにしたい - 吉田つとむ 08/05/20-21:21 No.3263
まちづくり・店づくり - takeo 08/05/22-17:24 No.3264
コムデ的中心市街地活性化への道 - takeo 08/05/28-09:04 No.3266

H&Mの日本1号店のオープン報.. - 吉田つとむ 08/05/13-11:01 No.3255
 スウェーデンの衣料大手「H&M」の日本1号店が9月にオープンする報道が出ています。(5月13日毎日朝刊経済面)

 昨年報道では、原宿にも同様店舗がオープンする記事がありました。(当時は、1号店オープンの報道)
「欧州カジュアル衣料「H&M」が日本進出-原宿に1号店」

 毎日新聞の紹介では、「H&M」は低価格ながら、おしゃれなデザインが人気を集めているとされています。日本進出はどのような形を取るのでしょうか。記事を見る限りでは、「銀座」や「原宿」より「町田」のような街に似合うと思います。ともかく、見守る必要があると思います。
コムデとコラボ - takeo 08/05/13-12:47 No.3259

情報有り難うございます。

>日本進出はどのような形を取るのでしょうか。

コムデギャルソンと協働するらしいですね。
http://fashion.yahoo.co.jp/news/detail/3602/

記事によれば川久保さんも意欲的です。
“究極までクリエーションとビジネスの両方の折り合いをつけることを試みるチャンス”
「両方の折り合い」こそラグジュアリィ仕様になるのではないかと思います。

デザイン的機能のイノベーション - takeo 08/05/16-18:00 No.3261

 デザインの機能は、大量生産体制の大量消費を媒介する、というものでした。
参 照:『百貨店を作った夫婦』ほか。
 

 この機能を否定して登場したのが川久保玲さん率いる「コムデギャルソン」でした。
http://www.youtube.com/watch?v=1Q51akRr-c0
(1/6~6/6まで通してどうぞ)

 「普及」というデザインの機能を「波及」にしたのが彼女のやったこと。
彼女が果たした仕事は、デザイナーではなくてコンセプチュアライザーです。

 ということで、川久保さんの話を始めるときりがないのですが、とりあえず、「クリエイティブとビジネスの融合」の意味と意義について、Youtubeとともに考えてみるのも楽しいかも知れません。

川久保玲 デザインを否定するデ.. - takeo 08/05/17-08:22 No.3262

 というのが川久保玲のポジションでした。

 伝統的なデザインとは、「大量生産~大量消費」を可動させる「奢侈の普及」を実現する、「奢侈のパターン化」です。
王侯貴族からブルジョアジーへという奢侈の普及プロセスは、「仕立屋」に担われていましたが、「プレタポルテ」の発明(デパートの発明も)で、デザイン機能が必要になったわけです。
かって宮廷のイノベーターが担っていた機能を、それに随従しつつパターン化する、という形でデザイナーが承継しました。

 未だ「普及」に参入できない・普及が行き渡らない庶民にとって衣服とは「古着」であり、デザインとは全く無縁のものでした。

 川久保玲は、「普及的デザイン」、デザインの基本的機能を否定して登場しました。
彼女の作品が「穴の空いたセーター」に象徴される、「ファッションの流通機能としてのデザイン」を否定したデザインだったのはそのためです。

 ところが彼女の「デザインの機能を否定するデザイン」は、瞬く間にファッション業界に吸収されてしまいます。川久保玲の「創発」がデザイナー的デザイナーを触発し、業界~消費者に波及していくわけです。
これは川久保玲にとって耐え難いことでありまして、彼女は自分が中心となって既成化するファッションのパターンを否定し続けなければならない。

 というところにビデオが紹介する川久保玲のこれまでの仕事があったわけですが、「ビジネスとの融合」という新しいポジティブな姿勢が何を産み出すのか、興味津々です。

楽しみにしたい - 吉田つとむ 08/05/20-21:21 No.3263

川久保玲氏のビデオ紹介、有り難うございました。あわせて、川久保玲氏のファッションデザイン界への革新的な取り組みの解説も分かりやすいものでした。

 「ファッション業界に吸収」されたことの後に、どのようなものが誕生してくるか、私も楽しみにさせていただきたいと思います。

まちづくり・店づくり - takeo 08/05/22-17:24 No.3264

 川久保さんがコンセプトを打ち出し、パタンナーがそれを造形化する、というのは他では見られない方法だと思います。
もう一つ、「素材」が通常は考えられない段階になってから出てくるというのも、川久保的・コンセプチュアライジングの担保かも知れません。

 コムデ的「パタンナー」は、限りなく「デザイン」に近い職能のようです。「パターンランゲージ」との関連も、得るところがあるかも知れません。

 川久保さんの仕事をデザイナーではなく、コンセプチュアライザーであると見なせば、商店街活性化の取り組み方に大きく示唆するものがあるように思われます。
「もの余り・店あまり時代の商業集積」のあるべき姿
あるべき商業集積を構成する個々の店舗の業容
というように考えますと、
店づくりとは、「中心市街地・ショッピングコンプレックスの一員としてのあるべき店舗」をどう実現していくか。
品揃え・サービス・環境というお店の構成パターンをどう作っていくことで「あるべき店舗」に近づけていくか、という仕事です。

コムデ的中心市街地活性化への道 - takeo 08/05/28-09:04 No.3266

>  川久保さんがコンセプトを打ち出し、パタンナーがそれを造形化する、というのは他では見られない方法だと思います。

 タウンマネージャーの仕事は、実はこういうことかも知れません。
①中心商店街はラグジュアリィニーズ対応の「ラグジュアリィモール」を目指す
②モールのテナントミックスは、既存個店の「業容転換」と空地・空店舗への「新規参入」で実現する
③あるべきラグジュアリィモール、構成するテナントの「あるべき姿」は、まだどこにも実現されていない

 という取り組みですから、リードするマネージャーさんは、
①ラグジュアリィニーズについて
②ラグジュアリィモールについて
③業容転換の方向と方法について
④取り組みの進め方実務について
くどいほどしゃべらなくてはならない。

 モール構築のスタートは当然モールの可能性の実証を兼ねて、既存個店の業容転換=繁盛店づくりからです。
チャレンジする有志は、
①タウンマネージャーの発すす上記①~④について理解し
②自店の「あるべき姿」を描き
③業容A3(パターン)をどうアレンジしていくか
④仮説を立て、試行錯誤を繰り返す
という作業に取り組むわけですね。
 このプロセスでタウンマネージャーさんは多分、各個店の取り組みに対してダメ出しをしたりアドバイスをしたりすることでしょう。

 ということでタウンマネージャーさんとは、すなわちコンセプチュアライザーでありまして、コムデにおける川久保玲さんのポジションを中心市街地において占めるわけです。
覚悟はよろしいですか(笑

 取り組みの全体像を関係者が理解していないと、全体としての試行があらぬ方向に行ってしまったり、各個店が思い思いの「差別化」などを追求すると「テナントミックス」が実現できません。

 コムデ的プロダクトシステム(クリエイティブ)を、中心商店街の「ショッピングモールを実現していくテナントミックスの最適化」に応用すると上のようになるわけです。

 当社の「商人塾」は、これまでこういう取り組みを有志とともに試行してきたわけですが、いよいよ今年度から『基本計画』に組み込まれオーソライズされた「中心市街地活性化への道」としての〈正式〉なチャレンジがスタートします。

 タウンマネージャー=コンセプチュアライザーさんの確保、養成も取り組みの「試行」の一環です。


> もう一つ、「素材」が通常は考えられない段階になってから出てくるというのも、川久保玲的・コンセプチュアライジングの担保かも知れません。

 中心市街地にアナロジーした場合、この「素材」にあたるのは何でしょうか。

 
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